

とびきりのリハビリを患者さんの傍に
介護保険、医療保険、特定疾患の活用
パーキンソン病の在宅介護では、介護保険・医療保険・難病の特定疾患制度をうまく活用することで、経済的・身体的な負担を軽減できます。各制度の使い方を詳しく説明します。
1. 介護保険の活用(65歳以上、または40~64歳の特定疾患)
🔹 対象者
-
65歳以上:パーキンソン病に関係なく申請可能
-
40~64歳:**特定疾病(若年性パーキンソン病)**として申請可能
🔹 介護保険で利用できるサービス
介護認定を受けると、以下のサービスが 1~3割負担 で利用できます。
サービス
具体例
訪問介護
自宅での入浴・排泄・食事介助
訪問看護
医療的ケア(床ずれ予防、吸引、リハビリ)
訪問リハビリ
歩行訓練、嚥下訓練、拘縮予防
デイサービス
リハビリ・入浴・レクリエーション
ショートステイ
一時的な宿泊介護(家族の負担軽減)
福祉用具レンタル
介護ベッド、車いす、歩行補助具
住宅改修
手すり設置、段差解消(最大20万円補助)
☆訪問看護のスタッフは個人的な主観としては使命感を持っておられる方が多いです。仕事として取り組んでいる方ではなく、介護者に対して人と人の関係を創ろうとしている方を探してください。
☆訪問介護も上記と同様に介護者に対して人と人の関係を創ろうとしている方に頼むのがベストだと思います。
☆住宅改修に関してはケアマネ任任せにせずに自分で施工業者を探した方がいいです。介護保険専門の住宅改修を請け負っているところは割高であり、マッチングサイトなどで相見積もりをもらいながらリフォームの相場を心得ていることが大切です。
➡ まずは 市区町村の 地域包括支援センター に相談し、要介護認定 を受けましょう。時期が来ると、病院などから案内があります。
2. 医療保険の活用(訪問診療・訪問看護)
介護保険だけではカバーできない医療面 は、医療保険(健康保険) を活用できます。パーキンソンの場合は特定疾患の対象ですので、かなり支出は抑えることはできます。(月額2500円程度にまで)
🔹 医療保険で利用できるサービス
サービス
内容
訪問診療
医師が定期的に自宅に訪問し、診察や薬の処方を行う。
訪問看護(医療保険適用)
床ずれ処置、点滴、たん吸引、医療機器管理(介護保険の訪問看護と併用可)
医療用機器のレンタル
酸素療法、胃ろう、人工呼吸器など
リハビリ(医療保険)
病院やクリニックでのリハビリ
➡ 進行期・終末期には 訪問診療・訪問看護 を組み合わせ、 在宅緩和ケア を受けることも可能です。
終末期においては、容体急変時にどう対応するかをあらかじめ決めておいてください。
おそらく想定外の時期にお別れの時はいきなり訪れます。
3. 難病の特定疾患制度(難病医療費助成)
パーキンソン病は、指定難病(特定疾患) に含まれるため、医療費助成が受けられます。
これは経済的にかなり助けられます。パーキンソンの介護負担はかなりのものですが、特定疾患の対象になっていることで、在宅でも十分対応が可能であり、かなりの水準の看護、リハビリ、嚥下の訓練、介護を受けることができ、費用は特養に入居する程度に抑えることができます。
(下記に週間スケジュールの事例をサンプルとして転記しておきます)
→Google カレンダー - 2025年 1月 26日の週
訪問看護週11回、訪問介護週9回、PTリハビリ週2回、STリハビリ週5回で上の事例は対応しています。
いずれも介護保険、医療保険のみです。(この方は他にPTの自費リハビリを行っていました。)
🔹 対象となる病名
-
パーキンソン病(進行期・中等度以上)
-
進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症 なども対象
🔹 難病医療費助成制度でできること
項目
内容
医療費の助成
指定難病の治療にかかる費用の 一部(または全額)助成
自己負担上限
所得に応じた 月額上限(例:低所得者は上限2,500円)
対象範囲
外来・入院治療、薬代、訪問診療、リハビリ
➡ 申請は 市区町村の保健所 で行う。
➡ 指定医療機関 での診察が必要。
4. 介護保険・医療保険・難病制度の組み合わせ方
状況
使う制度
具体的なサービス
介護が必要になった
介護保険
訪問介護、デイサービス、福祉用具レンタル
医療的ケアが必要
医療保険
訪問診療、訪問看護、在宅医療機器
医療費負担を軽減したい
難病助成
医療費の自己負担軽減、リハビリ補助
➡ 例:「訪問診療(医療保険)」+「訪問看護(介護保険)」+「デイサービス(介護保険)」を組み合わせることで、 24時間サポート体制 を構築可能。
5. 在宅介護を楽にするポイント
✅ 地域包括支援センターに相談 → 介護保険申請&サービス調整
✅ 訪問診療・訪問看護を導入 → 医療的ケアを確保
✅ デイサービスやショートステイを利用 → 介護者の負担を減らす
✅ 難病の医療費助成を申請 → 経済的負担を軽減
✅ 在宅医療・緩和ケアを活用 → 最期まで自宅で過ごせる体制を整える
まとめ
✔ 介護保険 → 日常生活のサポート(訪問介護・福祉用具)
✔ 医療保険 → 医療的ケア(訪問診療・看護・リハビリ)
✔ 難病助成 → 医療費負担の軽減
💡 ポイント:それぞれの制度を組み合わせることで、在宅介護をスムーズに進めることができます!
もし具体的な状況に応じたアドバイスが必要でしたら、お気軽にご相談ください。
パーキンソン病末期の在宅介護プラン
パーキンソン病の末期(進行期)は、寝たきりや誤嚥、認知症などのリスクが高まるため、医療・介護サービスをフル活用しながら計画的にケアをすることが重要です。
1. 末期の主な症状と必要なケア
末期の患者さんは以下のような症状がみられるため、それぞれに対応したケアプランを考えます。
主な症状
必要なケア
体の動きがほぼできない(寝たきり)
・褥瘡(床ずれ)予防:体位変換、エアマット使用
食事が難しくなる(嚥下障害・誤嚥リスク)
・嚥下訓練、トロミ付き食事、PEG(胃ろう)検討
認知機能の低下(パーキンソン病認知症)
・安心できる環境づくり、混乱を防ぐ声かけ
排泄のトラブル(尿失禁・便秘)
・おむつ利用、下剤や浣腸、排泄のタイミング管理
呼吸機能の低下(誤嚥性肺炎リスク)
・口腔ケア、吸引機使用、在宅酸素療法
疼痛や筋肉のこわばり
・マッサージ、温熱療法、痛み止めの利用
2. 具体的な在宅介護プラン
在宅介護を成功させるには、介護保険・医療保険・難病制度を最大限活用し、チームでケアすることが大切です。
✅ 1日のケアスケジュール(例)
🏡 朝(7:00~9:00)
✅ 体位変換、皮膚チェック(床ずれ防止)
✅ 起床介助(ベッドから車椅子へ)
✅ 口腔ケア・嚥下体操
✅ 朝食(トロミ食・胃ろう)
✅ 排泄介助(おむつ交換・トイレ介助)
🩺 午前(9:00~12:00)
✅ 訪問看護(週3回):吸引・褥瘡ケア・リハビリ
✅ 服薬管理(誤嚥を防ぐ工夫)
✅ 必要に応じて訪問医の診察(在宅医療)
🍽 昼(12:00~14:00)
✅ 昼食(トロミ食・胃ろう)
✅ 体位変換、リラックス
🦾 午後(14:00~17:00)
✅ 訪問リハビリ(週2回):拘縮予防・呼吸訓練
✅ 口腔ケア・吸引
✅ 排泄介助
🌙 夜(17:00~21:00)
✅ 夕食(トロミ食・胃ろう)
✅ 体位変換、褥瘡予防
✅ 入浴 or 清拭(訪問介護利用)
✅ 夜間の体調チェック(呼吸・痰の吸引)
🌙 深夜(21:00~7:00)
✅ 体位変換(2~3時間ごと)
✅ おむつ交換(必要時)
3. 介護サービスの利用計画
在宅で介護負担を減らすためには、訪問サービスや医療支援を組み合わせるのが必須です。
サービス名
内容
頻度の目安
訪問看護
吸引・呼吸ケア・褥瘡ケア・服薬管理
週2~3回
訪問リハビリ
筋肉のこわばりケア・呼吸訓練
週1~2回
訪問介護
入浴介助・排泄介助・体位変換
週2~3回
訪問診療(在宅医)
痛み管理・緊急時対応
月2回~
訪問歯科
口腔ケア・誤嚥予防
月1回~
福祉用具レンタル
介護ベッド・エアマット・車椅子
必要時
4. 介護保険・医療保険・難病制度の活用
費用負担を軽減するために、介護保険・医療保険・難病制度をフル活用しましょう。
✅ 使える公的支援
✅ 介護保険(要介護3~5で利用可能)
☑ 訪問介護、訪問看護、訪問リハビリ、デイサービス
✅ 医療保険(在宅医療)
☑ 在宅医療(訪問診療)
☑ 在宅酸素療法(呼吸困難時)
☑ 痰の吸引(気管切開がある場合)
✅ 難病特定疾患(パーキンソン病対象)
☑ 医療費助成(自己負担額が軽減)
☑ 福祉用具貸与(介護ベッド・エアマット)
✅ 障害者手帳(取得可能)
☑ タクシー助成・障害年金・介護タクシー利用
5. 最期をどこで迎えるか?
パーキンソン病末期では、「自宅で看取るのか」「ホスピスや緩和ケア病棟に入るのか」 を事前に決めておくことが重要です。
選択肢
メリット
デメリット
自宅で看取る(在宅緩和ケア)
家族と過ごせる、落ち着いた環境
介護負担が大きい、急変時の対応が必要
ホスピス・緩和ケア病棟
専門的な医療が受けられる
費用がかかる、入所待ちがある
💡 ポイント:在宅看取りを希望する場合は、
-
「訪問看護24時間対応」 の医療機関と連携
-
「緊急時の搬送先」 を事前に決めておく
まとめ
✅ 在宅介護は可能だが、医療・介護サービスをフル活用することが必須
✅ 1日のケアスケジュールを組み、訪問看護・訪問リハビリを活用
✅ 介護保険・医療保険・難病制度を活用し、負担を減らす
✅ 在宅での看取りを考える場合は、緩和ケアの支援を受ける
👉 家族だけで抱え込まず、医療・介護の専門家と連携して介護を進めることが大切です!
パーキンソン病末期の患者さんが施設に入所する際の費用は、施設の種類や提供されるサービス内容によって大きく異なります。特に、医療的ケアが必要な末期の状態では、専門的なケアを提供する施設を選択することが重要です。
主な施設の種類と費用の目安:
☆リンク先の在宅介護の場合→Google カレンダー - 2025年 1月 26日の週
月当たりの経費15万円程度、平均的な70歳以上の年金額で納まる範囲。
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介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護):
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入居一時金: 平均約1,096.8万円、中央値で約764.9万円
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月額利用料: 平均約40.3万円
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備考: 入居一時金は0円から数千万円まで幅があり、月額費用も施設によって異なります。 citeturn0search0
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パーキンソン病専門の介護施設:
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例:PDハウス西東京
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入居一時金: 施設に直接お問い合わせください
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月額利用料: 施設に直接お問い合わせください
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備考: 専門的なケアを提供する施設で、詳細な費用は施設に確認が必要です。 citeturn0search3
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特別養護老人ホーム(特養):
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入居一時金: 不要
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月額利用料: 約10万~15万円
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備考: 公的施設で費用は比較的低廉ですが、入所待機者が多く、医療的ケアの充実度は施設によります。
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費用に影響を与える要因:
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医療的ケアの必要性: 痰の吸引や経管栄養などの医療行為が必要な場合、対応可能な施設が限られ、費用が高くなる傾向があります。
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居室のタイプ: 個室か多床室かによって費用が異なります。
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地域差: 都市部と地方では費用に差があります。
注意点:
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費用の詳細確認: 施設によって費用体系が異なるため、入居を検討する際は各施設に直接お問い合わせいただくことをお勧めします。
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公的支援の活用: 介護保険や医療保険、難病特定疾患の助成制度などを活用することで、自己負担額を軽減できる場合があります。
パーキンソン病末期の在宅介護が難しい場合、適切な施設選びと公的支援の活用が重要です。各施設のサービス内容や費用を比較検討し、専門家と相談しながら最適な選択をしてください。